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プロダクトデザイン検定1級の勉強時間・試験対策ポイント

 過去の記事でデザインマネジメントコンサルタントのデザイン知識補充に適しているのはプロダクトデザイン検定ではないかと紹介しましたが、 先日この検定の1級を受験し、無事合格することができました。

今回はこの資格の概要と、試験対策のポイントをまとめていきます。※ 2017/9/18現在

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design-management.hatenablog.jp

 

 

プロダクトデザイン検定とは

 

 

公式HPに掲載されているPD検定の概要は下記の通りです。

PD検定とは

JIDAのプロダクトデザイン検定(PD)検定は、デザイナーとしての専門性の確立と、社会的信頼性の向上、プロダクトデザインの普及・啓発を目的とし、商品開発に関わる全ての人に向けた関連知識の評価基準となるものです。

 これをみると、受験対象はあまり明確には設定されていないことがわかります。プロダクトデザイナー自身や、関連する業務を行う人、専門大学等の知識の評価軸として、幅広い層に向けた資格としているようです。

実施母体

 プロダクトデザイン検定(以下PD検定)は、公益社団法人日本インダストリアルデザイナー協会(以下JIDA)が資格を認定する立場にあり、検定試験の運営などは株式会社ボーンデジタルという別の会社が行う民間の資格です。

プロダクトデザイン検定 日本インダストリアルデザイナー協会


沿革

 PD検定は2010年にスタートしました。1・2級と別れており、2015年より、2級に関しては新問題が適用されるようになりました。近年創設されたまだ歴史の浅い資格です。

プロダクトデザイン検定 | JIDA Official SITE

 

受験実績

 HPに掲載されている、2015年の受験実績は下記のとおりです。

受験者(人):208

合格者(人):157

合格率(%):75

資格登録者(人):106

 ここでは1級・2級の境は無いため、1級の合格率はわかりませんが、難易度は高くない資格といえるでしょう。上記でも記載したように、あまり受験対象を設定していないことも、難易度が低めに設定されていることの要因だと思います。

受験実績 « プロダクトデザイン検定 日本インダストリアルデザイナー協会

 

その他諸条件

試験内容:4択問題100問 CBT方式(コンピュータ上で問題提示および解答を行う)

合格基準:総合得点70%以上

試験時間:90分

受験料:10,000円+税

試験会場:会場試験⇒北海道から沖縄まで、全国約130箇所 下記リンクより選択

プロダクトデザイン検定(PD検定)|資格・検定・試験なら【J-Testing】

試験実施日:上記会場予約できる日であればいつでも可能

資格登録料:10,000円+税

 

試験対策

方法

テキスト読み込み

 PD検定1級には公式テキストが設定されています。

 

プロダクトデザイン 商品開発に関わるすべての人へ

プロダクトデザイン 商品開発に関わるすべての人へ

 

 

 JIDAが編集している書籍です。これを読み込むことが勉強方法の一つです。このテキストを流し読みで2周すれば受験対策としての基礎知識の補充は十分でしょう。

問題集

 PD検定では問題集も出版されています。テキスト同様JIDA編集の書籍です。ただし、この問題集は2級向けにしか出版されていません。1級の問題集は出版されておらず、運営元の㈱ボーンデジタルにも問合せましたが、今後も出版の予定はないそうです。

 ではどのように対策すればよいのかということですが、この2級の問題集でも、ある程度1級の試験対策になるため、2級問題集で代用することをおすすめします。私自身全く問題集を解かずに受験することは不安だったため、全く対策をしないよりはよいだろうという考えで直前に2級問題集を解いて試験に臨んだのですが、出題された問題はおおよそ2級問題集のものと近いものでした。

[WORKS] プロダクトデザインの基礎 PD検定2級準拠問題集|ボーンデジタル

 また、公式HPには2級のサンプル問題集もダウンロードできるようになっているため(名前とメールアドレスの入力が必要)、こちらで問題の傾向をつかみ、テキストを読み込むだけでも合格することは可能だと感じました。費用をかけたくない人はこの選択肢もあると思います。

公式テキスト « プロダクトデザイン検定 日本インダストリアルデザイナー協会

目安勉強時間

 公式テキストの読み込み、問題集を解くという2つの対策を含めて、10時間もあれば問題なく合格できるのではないでしょうか。

テキスト一周目4時間+テキスト二周目3時間+問題集一周目2時間+問題集二周目1時間=10時間

 元々この分野に関して知見がある人であれば、より時間は短縮できるものと思います。

 

資格に対する管理人の所感

 本検定に対する私の所感を簡単に記載します。

 問題形式としては選択式の非常に簡単な内容のため、プロダクトデザイナーとしての実践的な能力を担保するものにはならないのではないかと感じました。それが検定という名称にも表れているわけですが。
 ただし、出題範囲・項目は抜けもれダブりなく非常に理にかなっており、それぞれの出題分野をさらに深堀し知識補充することで、ためになる内容であると感じました。
 各章を深堀する問題や、選択式以外の問題形式等作成できれば、より信頼性の出る資格になるのではないかと思います。
 また内容として、プロダクトに限らないデザイン全般に関する内容になっており、まさに、デザイン分野のコーディネータ役に一番相性の良い資格のように感じました。

 受験のハードルは高くない資格であるため、この分野に興味のある方は受験してみるのもいいのではないでしょうか。